いただいた柚子のつやよく棘痛し


        

       賜りしゆず活け鎮む香りかな    ゑ




        


藝人という言葉は差別語とされていたとあった


河原乞食から「かぶく」の歌舞伎までの長い年月


この二冊の装丁の本からは想像もできぬ内容であり非情があり


ごく一握りの人が手にできる栄光があった




        


本は本を呼び招いてくれる 読書の醍醐味がここにある  


         

   (帯より)


1930年代初頭、アジ、プロ小説を書きながら労働者のオルグ


あけくれていた東京帝大の左翼青年が、横山エンタツとのであいを


契機に、生まれ育った大阪の話し言葉の掛け合いの魅力を再発見し


漫才作者として誕生するプロセスを、自在な筆捌きで活写する


書き下し