一輪の花から

        


山茶花を一輪活けたら 夫が「あれ・・・これは淋しいからやめてよ」と


どこが? なにが? どうして淋しい?


これを見ると一人ぼっちになったような気がするんだって


そうかな  そうまで一人になるのがこわいのか・・・


こちらは待つことも孤独も充分に経験してへっちゃらなのにね


それにしてもだ 喜びは分かち合えるが


悲しみは一人占め


そういうことが 長い結婚生活で解ったことだ


如何せん 致し方ない 人とはそういうものなのだ


けれど 優しい言葉をかけることはできる


そうなるまでは心の鍛錬が必須だ


ちょっぴりだけれどできるようになった気がする


夫が両親を見送ってからのこと


痛みは人の心を弱くし やがて強くする





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