待つということ


いつ読んだのか忘れてしまった


童話だったと思う 


多分 石井桃子さんの訳した本だったかな


ねずみのお母さんが 子供か夫の帰りを待つのである


そしてつぶやく


「待つということはけっして不幸な事ではないのだわ


 良いことがあるのですもの


 お湯を沸かしてまつ お茶を入れる準備をする


 それは 待つことの向こうに楽しみがあるからよ」


そんな文章だったと記憶する


人は様々な場面で待つ


駅の改札で降りてくる誰かを待つ


夜遅く 仕事で帰らぬ夫を待つ


手紙の返事を待つ


数え切れない「待つ」がある


待つということは「耳をすます」ことに似ている


聴こえない声を聴こうとするとほんとうに何かが聴こえてくる


相手が何をもとめているのか だんんだん解ってくる