「砂糖菓子が壊れるとき」曽野綾子著&「バス停留所」

  幾度か書きましたが私は曽野綾子さんの著書のファンです
  ほぼ読了しています。
  一番最初の出会いは朝日新聞に連載されていた「神の汚れた手」でした
  次男がお腹にいるかいないかの時から
  出産退院してから(古新聞)となった一週間分を読み
  亡母から「産婦は文字を読んではいけない!」と言われましたが
  こそこそと読みました。
  思いますに 妊娠中で読むにまったく適さない本と言えたかもしれません
  しかし私は神父の言葉に惹かれ 婦長の言葉にも惹かれ
  単行本化されて尚読み 文庫も購入しバイブルとしたのでした。
  


  「砂糖菓子が壊れるとき」という
  マリリン・モンローをモデルとした作品には
  あの官能的な彼女ではない 真実が書かれていました
  女子トイレの洗面台に髪の毛があると片づけないではいられない
  様々な事が彼女に強迫観念として表われては
  仕事の遅刻等が「よくない癖」として誤解を受けます
  しかし彼女は見た目とは違った真実清らかな道徳心をもっているのです
  


  過日偶然「バス停留所」という映画をテレビで観ました


        


        


        


   泣いてよだれの糸が引き それは演技以上のものでした
   彼女は正に砂糖菓子でした
   対極にあるヘップバーンとは全く違うか弱さに同情します
   共感します 美は利用され さんざんに融かされて
   彼女は逝ってしまいました


   謎などといわれますが そうではない
   抗う術がなかった 清純な心のままで吹き飛ばされた犠牲者
   何故夥しいファンがいるのか
   それは誰の心にもマリリンがいるからではないか
   壊れやすい砂糖菓子 


   映画化もされているようですが 知りませんでした
   この「バス停留所」の台詞ひとつひとつが
   彼女の表情そのものが 真実 物語っていたと
   私は思います


   オードリー・ヘップバーンは強く幸運なスターです
   対極にあるマリリン・モンローは弱く不幸だった
   そのような役目を担って生まれてきたのでしょう


   




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