柿色琥珀色

故郷仙台の晩秋の風景にあるのは柿の実である

ほかの果実はなかった  稲刈りが始まる頃の寒さ イナゴは枯れ色だった

福島ではごく普通の家の庭に立派な林檎が生っており

酒田では砂丘メロンが夏の日差しの下に丸々と実りしていた

ここでは橙という柑橘類が当然のように堂々と重たげに生っていて

私の目を釘付けにした

沖縄のブーゲンビリアの花 マンゴーという果実 パッションフルーツ

果実好きにはこの上ない出会いと味わいに 味覚を失っている時でさえ

唯一感じられる酸味は救いであったっけ



        


      なんじゃらほいこの生り様の柿の種  ゑぽむ


どうしたらこんな可笑しな実の付き方をするのだろうか

木の枝にバランスよく生るものではないか?! 柿よ どうした?






         

        珈琲の琥珀をはさみかたりあふ  ゑぽむ


雨天決行 二十歳も年下の新しい友人と散策した 休憩の珈琲店

これは撮った憶えが無いのにあった 桜は四季に咲くもので

彼女の黄色のカップも桜の柄だった

スマホの悪戯が 残って嬉しいことだ シャッター音はしなかった

お喋りは絶えることなく続き 胸につかえていた塊が

一杯のコーヒーによってお腹いっぱいの充実となったのだ

ありがとう ありがとう 幾度繰り返してもたりない感謝の想い

私と友達になってくれてありがとう Mさん





                 ✿