猫のきもち
入院している息子に
小説ばかりでもなんだから「猫のきもち」(という本)を持ってこようか
と言うと いらない!とにべもない
可愛いよ ペラペラめくるだけでもいいからと薦めると
「よその猫なんて可愛くないよ 僕はうちの猫に会いたいんだよ」と
なるほどね〜でもさ
お母さんはよその子でも小さい子は可愛いし孫話を聞くだけでも笑えるよ
猫も子も孫も一緒にしちゃわるいかしら
小さくてつぶらな目をしたものはとにかく可愛らしいではないか
こういう機微は若い息子には解ろうはずもなく致し方なく
猫のきもちは引っ込めた あぁ残念なり
私の気持ちも引っ込めた あぁ無念なり
せめて建設的な小説をと気配りするが 彼はホラーが好きだ
薦めるものは理屈っぽいと却下すること度々である
日々を生きてるだけでホラーでサスペンスなのに
なにも本の文字でまで読むこともあるまいに
親の心子知らずとはよく言ったものだ
今日は実にパンチの効いた一言を賜った
「曽野綾子ってずいぶん世間から叩かれてるじゃん!!!」
チャンチャン!である
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