梅雨を歩けば

        

       水の精のしとねとなりて滴りぬ  ゑぽむ



        

       おお蛇がと見れば木の根がしゅるりとな  ゑぽむ



        

       雨なりきのうぜんかづら陽代わりに  ゑぽむ





傘に強く音のする雨であった 今朝もずいぶん降っている 風もある


「風まじり 雨降る夜の雨まじり・・・すべもなく・・・」貧窮問答ね


術なくもなく私は何やら手仕事をした 


昨日は何の拍子か私の作品を置いて下さっているショップに行ったら


様子の違う方が宝石を売りに来ていた


アクセサリーミュジアムにあるような品々だった


飽きちゃったのだそうで


それはそれは初めましての宝石で貴婦人の身につけたいたような


素晴らしい細工の品々で大いに目のお正月をさせて頂いた


デヴィ夫人とも親しくてパーティでご一緒なさるそうだ


いろんな方が居ることは居る


が、話すことはつまんなかった しょうがないねぇ


本の話や花鳥風月には程遠い方っているのだ


宝石よりももっともっと美しい物や景色にはお気づきではないようだ


美しい野鳥 野花 それらを真似て 飾りにしたのが始めなのだ


儚いものを永遠に形に留めておきたいと職人は思い


貴婦人もまたそれを望んで 身につけた


それらはお金持ちの手から手へと渡っていくのだった


そんな運命だった







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