オジサンになっちゃったのねマイボーイ


        

      サボテンの花の思い出マイボーイ   ゑぽむ


二人の息子共 高校2年くらいからモンスターになった気がした
私を物のように見るそれだった
黙りこんだわけでもない 非行に走ったわけでもない
それは自分自身が過去にそうであった繰り返しなのだった
「お母さん ごめんなさい」


次郎はひたすら愛しかった 太郎の方はまるで恋人だった
本の話は楽しかったなぁ
けれど心は「離れて行って! 遠くに行って!」
お前たちがいるとお母さんは不安で落ち着かなくてどうしようもない
どうか遠い土地に行って生きておくれ
そんな思いで時を漕ぐ日々だった


この歌が好きだったね太郎 ヘッドホンをして歌ってた ささやくように



         


カンカン照りにみつけたサボテンの花
でも歌は冬を歌っていたんだね
ふりそそぐ雪のようにキミを愛せばよかった〜♪
お前たちを追い払ってしまってごめんね


お母さんは小さな子ではなくなった大男がコワかった
やっつけられそうで恐ろしかったよ
物静かな二人ではあったけれど
離れて行ってほしかった 遠くに行ってほしかった


小さなキミ達の思い出だけでお母さんは生きていたいと思ったよ
亡母の気持とは違った私 どうしてかしらね お母さん
私は母が兄達を己が翼の下からけっして出さなかった気持ちが
どうしてもわからない
私は何も言わず準備万端整えてあなたの元を去った
淋しかった? 裏切られたと感じた?
そんなことはないよね


今やっとあなたの呪縛から放たれて 清々してる
あなたの教えは正しかった 身についています
でも もう私は自由  好きにしていくからね



あなたの娘はやっと個人として生きる
息子たちに「早くせよ」と迫ったことは正解だった







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