写真俳句もどき

歩いて歩いて

とにかく歩きたかった ざんざん降りで傘が役にたたぬほどだったが 歩きたかった 一人歩きが怖そうな切り通しさえものともせずに歩いた 靴の中も肌着までもが濡れていた その不快さえどうでもよくて ただただ歩いた 吉凶も絵馬もざんざん降りの秋 絵ぽむ 翡翠…

コバが猫の国に召されて一年

わがコバよ愛しの汝の年巡り ゑぽむ コバの仔猫時代は知らない 太郎が拾って育てたからだ もうおばあさん猫になって連れてこられて その威風堂々たる美しさにみとれた 最初は触れることさえはばかられたほど ガブリっと噛まれて手が腫れて熱が出てうわ言とい…

友よ

朝なりき闇ののちなるこの色ぞ ゑぽむ 今は夜明け前の闇の中にいます これは昨日の朝やけ いろいろと案ずることがあります それでも 明けない夜はない 朝のこない夜はないと 自分を励まし なんとか生きてきました 病気の友からの その後の連絡はありません …

惜別の時近づきて風は吹く

さよならと手を振り淋し友の声 ゑぽむ 友人の義父上が奥様と息子さんの元に旅立つ準備をしている 小さな孫さんが「じいじ、大きいじいじバイバイ」と送り火に手を振ったと 彼女の孤独をここに感じる。 なんとか力を保っていこうね ・ 近頃は小説ではない 脳…

オジサンになっちゃったのねマイボーイ

サボテンの花の思い出マイボーイ ゑぽむ 二人の息子共 高校2年くらいからモンスターになった気がした 私を物のように見るそれだった 黙りこんだわけでもない 非行に走ったわけでもない それは自分自身が過去にそうであった繰り返しなのだった 「お母さん ご…

お留守番

アンティークショップでのアルバイト 昨日は3時間 お掃除 片づけ ディスプレイ直し 接客?・・・ アメリカやイギリスに昔住んでいらした方とのお喋りは楽しい ドルが360円だった頃の話! もう自由で楽しくて家は広いしで狭い日本に帰ってくるのはイヤだ…

僧侶の背中

編傘を取れば直ちに吾子よ吾子 ゑぽむ 八月の鎌倉は静かだ 海に向かって歩く若者がいるばかり 空いたバスに乗り合わせた修行僧 日に焼けて逞しい すわったとたんに僧ではなくなり青年になった その手指は母の小指を握ってかくも柔らかであったもの 透明なよ…

きくしゃんのお義姉さんを悼んで

哀しみを濾過し琥珀の日々ありき ゑぽむ リログ時代 きくしゃんとお兄さんお二人 仲良し三人兄妹さん方 きくしゃんと仲良くなってコメントのやりとりをして数年 哀しみを抱きつついつも明るいケセラセラのきくしゃんのページ 会いたい気持ちがつのって鎌倉駅…

朝顔やくるしきことを叫ぶ口

縁のなき香木にからみ朝の顔 ゑぽむ 夜香木(ヤコウボク)夜来香(イエライシャン)とは別のものです スベルベさんには実にご無沙汰していますが スバルお姉さまのブログで知ってほしくなって苗を購入したのでした 花は実に地味で気がつかぬほどなのですが …

ふと見れば白き桔梗の食まれおり

ひたすらに食む虫色は蕊の色 ゑぽむ 過日立ち止まって見入った白いキキョウが美しいままの姿で 虫に食まれていた 初めて見る色の虫が五匹 漱石先生の「仏性は白き桔梗にこそあらめ」がここにあった さまざまな宗教でいわれるところの輪廻転生 純白のまま枯れ…

小さな目

小さな目小さな手して声をして ゑ 切り絵のようだねと息子が言った あ、そうねぇ 私はただ青い空を透かす小さな葉の虫食い穴をみつけて撮っただけ これどう? 訊いて良かった ただ画像だけアップするつもりだったのに 今朝みたら文字入れしてあった あれ・・…

夏景色たちくらみつつ収めけり

戯れに蝶の真似なぞして鳴こか ゑぽむ 電信柱や網戸に止まって鳴く蝉は幾度も見たが 花にすがりついているのは初めてでものの憐れを感じてしまった なに 勝手な思い込みにて惚けた画像をアップなり どこに蝉が? お探し下さいませ 設えによくぞ添いたり武道…

白き花に出会う

日傘で暴風雨のような日射から逃れつつ早足に脇目もふらずにいたのに 呼びとめられて立ちすくんだ 吸い寄せられ炎天下をわすれた 夏目漱石 「仏性は白き桔梗にこそあらめ」 ここにおわするのも縁 ・ 一握の砂を噛むよな日のありき ゑぽむ 羊歯の手に虫を握ら…

やれはちすまだ間がありて花守り

わたくしが一番きれいだったのよ ゑぽむ 出会った花がそう言った 葉守りも若くたくましい かぶく時なりなまめかし ✿

かわゆきものたち

ビン缶の収集日にて敏感よ ゑぽむ 本日は水曜日にて(ビンと缶の収集日なり) この猫缶は絵に惹かれて買い呑んだ さわやかな味の発泡酒 レモンライムの味が実に美味しかった 捨てるにしのびないが 缶は缶 画像のみにて カラカランと。。。 おお君はなんとひ…

より道をせずに帰れと母の声

目に聴こゆ耳の奥なる巻貝よ ゑぽむ 「母のいまはのその声をかえせ・・・」堀口大學の詩を思った 三半規管の渦巻きはかたつむり管ともいわれる 自然は体の中にあり 体は自然の中にあり 宇宙に通じる 葉も虫も完璧主義の手の仕事 ゑぽむ すべてはあのお方の手…

可愛らし幼稚園からショートステイ

あれこれで送迎さるる園児気分 ゑぽむ 過日紫陽花でにぎわう明月院の花をすべて剪定する前日のこと 最期の花を見ようとバスは混みあった 鎌倉街道は渋滞でなかなか待つバスが来ない えいや! 待ったついでにもっと待とう そうしたらこんなバスが来た! 幼稚…

六道に真珠供えし誰かあり

誰からのプレゼントでしょうネックレス ゑぽむ いつも六地蔵のお顔に六回お辞儀して手を合わせます おやっ・・・真珠のネックレス 赤いよだれかけの上に映えます 人間の苦しみの世界は六種類あり それをお地蔵様にして弔った言われます 近くには刑場があった…

土曜日のホッと猫です

えっ猫背?いったい誰が決めたのよ ゑぽむ 亡母はよく「背中が曲がってるわよ 物指し入れるから!」っと口癖 私はうつむいている子供だったので 元気に楽しくニコニコして背筋を伸ばしていなさいということでした なにしろ母の希いとは丸反対でありましたか…

我が家のアイドル

仲わろきお譲さまがた最接近 ゑぽむ アイドルである なんてったってアイドルである わたくし! 唯一でなければならぬので この二匹は常にいがみ合っている 「わたくしこそアイドルよ スターよ」っというところ 二尺は離れているくせに 猫草には目がない 頬が…

日曜日の小さな旅

のんびりと眺め入りしもはしるかな ゑぽむ 久しぶりに私鉄に乗った 雰囲気のちがう事! JRではもうなくなってしまったカーテンが優しく使われている 日射しはUVガラスではなくてやはりこうでしょう ♪畑もとぶとぶ家もとぶ 走れはしれはしれ〜 鉄橋だ鉄橋…

この花が咲いてくれたにくたびれて

私が虫の心地で惹かれ寄り ゑぽむ エゴイスト群れて想いは昼顔に ゑぽむ タイサンボクの花だろうか 美しくて大きくて圧倒される 「はい わたくし虫ですの どうぞよろしくお願いします・・・」 なんにも答えてはくれなんだ エゴの花は茄子の花に似ている つん…

思うまま手足のばして朝まだき

松川菱気と手の向くままの気質見し ゑぽむ ご近所のてんでバラバラ屋敷 作りたい造りたいご隠居さんが楽しい 元は母屋が資材置き場になりそれがまあこんなふう! ステンドグラスはフクロウで さすがの建具師の腕前は美しい 通りかかるたびに何かを製作中 き…

夏それぞれ

あぁいつの間に化粧して身仕舞の ゑぽむ そなただけなんと肥えたりこの掘で ゑぽむ 咲きますよとも言わずに気付けばあるのが花である それにしても 静かな様子のハンゲショウ お隣の郵便局の掘りに肥満の金魚 こういう種類か?・・・ しかし ちょっとは食べ…

ひとりとは友達であり花である

ぽつねんと場違い心よくわかる ゑぽむ 学校は協調性のいないない ゑぽむ 今の言葉で言えば「浮いている」子供でした 自分ながらに困惑しつつ がまんしいしい学校に行っていました 「ここじゃないなぁ」「どこかな」「いつかなぁ」・・・ そりゃあ 大人になっ…

猫の平安

みけさんが半眼訥々くつろげり ゑぽむ 高村薫さんの「半眼訥納」(はんがんとつとつ)というエッセイがあった この言葉を使いたかったが 自分には無い しかしてこの「みけ」にはあるのだ 実によく私に尽してくれる 哀しい思いでいれば傍に来て 手や顔を舐め…

間間間〜まが三つ♪

束の間の間柄なの梅雨晴れ間 ゑぽむ 微笑ましいなあ・・・いいなあ 撮っておいたら良かったのにと 我が家の出来事思い出す ピンクのレインブーツじゃなかったけれど あぁ 何色だったのだろう ブルーかな 忘れちゃった まごまごしてると さっさと過ぎちゃう時…

もしも私が家を建てたなら〜♪

梅雨空の下を歩いていると晴れでは気付かなかった家があった わたくしがもしもお家を建てたなら ゑぽむ 今ならこの色を迷いなく選ぶだろう 郷里の家は茶系だった 嫁いだ家は白かった もしも私が家を建てたら小さな家を建てたでしょう 大きな窓と小さなドア …

木に出会う

目が合って話せば解る木の想い ゑぽむ ざんざん降りの雨の歩きもいいものである そのうえ踏切りがカンカンカンカンと長い待ち ふと視線を感じて振り向けば木の顔が あら なあに? 呼んだ?・・・ あんたよりもず〜っとず〜っと前から私ゃカンカン聞いてるの …

ホームより

切通し定家かづらのひねくれて ゑぽむ 北鎌倉のホームから私道の切通しが見える その山から繁り垂れる植物の中にテイカカヅラの花が白くあった 偉業をなした藤原定家 その名前のわりには小さくて花弁がねじれている 定家は内面がこんなだったのかなぁ・・・…