EPOM

私のハンドルネームはEPOM、ゑぽむ である ポエム・・・詩からとったのでしょうとよく訊かれるがそうではない 名前と苗字を合わせただけの都合であった 詩は好きだ 若い日には詩もどきを書きつづったこともあった しかし 難かしい 語彙の不足とあやの職…

作家・佐藤亜紀 この人はすごい 本が好きで幸運だったと感じる 長年読んでこなければ頭に入ってこなかったろう文章、事柄 読むに力がいる 精神力が希薄な時はダメだ ところが不思議な事には 妙に弱っている時には加勢となる この人の筆力と能力と魅力が 読者…

いただいた柚子のつやよく棘痛し

賜りしゆず活け鎮む香りかな ゑ 藝人という言葉は差別語とされていたとあった 河原乞食から「かぶく」の歌舞伎までの長い年月 この二冊の装丁の本からは想像もできぬ内容であり非情があり ごく一握りの人が手にできる栄光があった 本は本を呼び招いてくれる …

悲しかった

石段を上がる人なく蔦の這い ゑぽむ マリリンのホクロのついた四季咲き花 ゑぽむ 不思議な色の薔薇ができたものだ マリリンは真っ赤な薔薇と相場 でも「砂糖菓子がこわれる時」というマリリンがモデルの小説は このように控え目で 薔薇とは思えぬような色で…

さよなら三つ

そなたなに思うて昏き黄小菊 ゑぽむ 遠藤周作さんの「うまく生きた」という40年ほどまえのエッセイを読み 今なら解ることがたくさん書いてあった 遠藤さんは50歳くらいだから まだまだお若い それを読むこちらは失礼ながら歳は経ているから腑に落ちるの…

やなせさん

この「詩とメルヘン」は1964年の本です やなせさんは もうご自分を歳をとったとおっしゃっているのが なんだか可笑しいです やなせさんは「若かった」のでしょうね そしてほんとうにお歳を召されて旅立たれた 様々な方の詩を紹介してくださり また ご自…

この頃読んだ本ちょっと紹介

これはまるで三浦綾子さんの本を読んでいるような気がしてならなかった 聖女というのは確かにいることが信じられる そしてこの作家自身が余命いくばくもない中で書かれた 主人公は実在の人として浮き彫りになり 救い主のようなマリアが ひと時も離れず天に召…

溜め湯して髪を洗いて身をゆだね

もうそろそろバスタブにつかろうかという季節になった 一番風呂にて 湯を汲んで 顔を洗った そして思いついて 昔ながらの髪の洗い方をしてみた シャワーのない時代は こうしていたなと・・・ 正座し頭を下げて湯をかけて シャンプー剤で洗い すすぐすすぐ 上…

日本人もっとお米をたべましょう

井上ひさしさんの本だから興味を惹かれて読んだのです 他の著者だったら手にとらなかったでしょう 皆さんにお薦めの本 ぜひお読みいただきたい一冊です 日本という国の過ちをこんなにもわかり易く書いて下さった 井上ひさしさんに感謝の気持ちでいっぱいにな…

明るい日

わたくしがわたくしを撮る時間旅 ゑぽむ きくしゃんと別れてバスに乗ると「過去のわたくしに会った」赤いフレームのメガネ おかっぱの髪 文庫本 EPOMちゃんじゃないの! 太郎はよくよくハウツー本を買っていた それは「努力しないで解る数学」とか「速読の技…

野草の美しい事

ややそなたわらわを摘んでなんとする ゑぽむ ねぎの花摘んでつくづく手の臭し ゑぽむ 文句垂れおやじ健二の妻を知る ゑぽむ 庭をもたぬことはわたしにとって幸いなり こうして気に入った部分を切り取って家に連れかえればいいのだ 丸山健二の一面を知った 彼…

「四国はどこまで入れ換え可能か」

福島は沖縄はなどと秋の空 ゑぽむ 北鎌倉駅の隣のたまごやさんというスーパーの前には 「どうぞご自由にお持ち下さい」と本がカゴに入っている 昨日は題名に惹かれてひょいと頂いた ら! マンガだった!新潮文庫 それで 申し訳ないのだが表紙に落書きをしち…

故郷は遠くにありて思うもの

ペットの持ち込み禁止ペットは「もの」扱いだからこういう表示になる それは致し方ない 「持ち込み」改め「連れ込み」じゃヘンだし・・・ Bookoffで涼みながら本を手に取る 「楽しい終末」 今である 以前にもアップしたが義父のコレクション マッチ箱 何故「…

あまりにも悲しかったものだから

あまりにも悲しかったものだから 古い本を棚から取って出かけた 午後にペット葬儀社を予約して コバにはアイスノンをつけて・・・ 気をまぎらそうと読み始めたら「こら考えろ!」とこんな文が 筒井康隆さんの本に猫が出てきたんだったかなぁ 泣けちゃった コ…

井上ひさしさんの遺作「一週間」より 抜粋 「そんな神様がどこのいますか。 キリストがペテロを殴り倒してマグダラのマリアと姦淫したという 古文書があらわれたら、キリスト教はたちまち崩壊してしまいます。 お釈迦様がお妾さんを囲っていたという史料が発…

太宰治との出会い

冨士には月見草がよく似合う これは太宰治の「冨嶽百景」のなかに書かれている文章だ 小学校5年くらいの時に姉に買ってもらったのが太宰治との出会い 少々早熟だったかもしれぬが 亡母が月見草が好きだったので 身近に感じて読むことができた 母は月見草を…

伊奈かっぺいさん

本が乱雑になってきたのでちょっと片づけを・・・ しかしまあ ありがちな事とて 一冊とっては読み入って これは私が買ったのだったかしら? カセットテープで聴いてはアハアハと声を出さずに笑っていた ちょっと解らないところだって聴いたニュアンスで了解…

読みたかった作家の本

鷺沢萌さんの本を読みたいと思っていた頃 彼女は自ら命を絶った 「それじゃ読めないな・・・」と気落ちしたのだった そろそろ十年近く経った そして手にとった やはり 時をおいて正解 なんという感性だろう 生き急いだという言葉がぴったりの人 初めて読むの…

山頭火の妻

山頭火といえば 漂泊の俳人 殿方の憧れであるかもしれない いや だれにとっても 彷徨いたい心を身代りになってしてくれた人 そのようなイメージだろうか 裕福な家に生まれ しかしこの上なく哀しい体験をし しかしインテリ 翻訳さえできる高い能力の人が漂泊…

古書徒然

由比ヶ浜のいつもの古書店で 「おねがいします」と差し出すと 「これ汚れてるから百円でいいです」と店主が云う 「でも読みたい本だから」と応えると 「絶版になっているわね」と こういうやりとりが出来るのは実にうれしい 読み始めると古い切符・・・1956…

「そんなに読んでどうするの?」考

青嵐迎えに上がる段ありき ゑぽむ これは港の見える丘公園に登る途中にある旧フランス領事館跡である ここをこうして人々が歩き ここにはドアがありと想像できる 勿論のこと仏語で簡潔に事は語られるお役所だったのだろうか この階段にかけて本を読みたいな…

近頃の数冊

梨木香歩著「渡りの足跡」はエゾモモンガさん、minojiさん方鳥撮りさんの記事画像をくっきりと思い出させてくれてそしてそれが自然科学や人文学とも相まって地球規模の物語を読んだほどの読後感を持った彼女の作品は好きでほぼ読んでいるが何歩も踏み出した…

鎌倉「東慶寺 花だより」

さすが 井上ひさしさん 面白くて一気読み! 一人占めしたいほど良き本にて アップをやめようかと思ったほどだが 本屋さんに平積みになっているのだから 内緒にもできない 東慶寺までは歩いて十分足らずで土地感があるのがまた楽しい 東慶寺は かけこみ寺 上…

井上ひさし展

井上ひさしさんへ献花 井上ひさしさんの葬儀にながされた映像があり 最初に見た 「人間には悩み苦しみ切なさ痛み不安が最初から備わっています 唯一無いのが(笑い)です 自然にはないものだから 私たちは下品ではないほんとうの(笑い)を作り演ずる仕事を…

夢をみた

全身麻酔で胃カメラ検査をすることになった夢をみた 夢の中で意識が無くなるのだが 麻酔が効いてくると ヒトの脊髄がぼ〜っと見えているというふうだった それは薄い青を背景にして薄い薄い白に近いピンクの背骨だった 夢の中で麻酔から覚め 鏡をみると顎の…

偶然に哲学本を読んだかな?

哲学者といえば 谷川俊太郎さんの父上 谷川徹三氏が浮かぶだけだ そのような人を父として生まれた俊太郎少年の心持ちや如何に 実家以外の家庭を知らないのに 忖度してしまう私 ある時 父上は息子の詩のようなものを偶然読み 驚愕し 草野心平氏にそれを伝えた…

たそがれ

昨日「かわたれ時が好きだ」と書いて 詩を思い出した (たそがれかわたれ星ひかれ)・・・後が思い出せない 本棚に行って背表紙をながめ「これだ!」と開いた しみだらけの頁 谷川俊太郎さんの詩集だった 憶え違い・・・ たそがれくさかれほしひかれ よかれ…

「お爺さんを看取る」

南木佳士さんのエッセイを読んでいる 信州の病院でドクターをなさり 毎日々亡くなる患者さんを送り とうとうご自分が心の病に倒れた方だ・・・。 「夢破れて妻子あり」というくだりに声をたてて笑ってしまった 女は長生きせねばならぬ お爺さんが息をひきと…

本棚の賢治と開高健さん

じっとトランクルームの本棚の前に立ち背表紙をながめた 何十年と開いていない本を手にとった 古びているが 中はまっさら 若い私の目が帰ってきた この詩とメロディが好きだ 懐かしくて どこまでも続く道のよう はがき十円 今は50円 長く生きたものだ 本には…

混沌

東日本大震災以来 夥しい人々の心は混沌としているであろう 人間が平和のうちに暮らしていれば見えないものが あからさまになり 我慢は内攻し心は病んでいく どれほどの方々があの日 かろうじて命を拾っていながら 自ら逝ってしまったことだろう 混沌は大好…